所信表明・奥村克美
私は京都西陣織の機織職人に生まれ、機音と共に育ちました。
日頃からものがえ=夏物から冬物とかの綜光の掛け替えのことや、みずなわを持ってこいと言われたり、
フミセのからうすが引っかかったから外せ、カラミの重りを掛けろ・降ろせ、畦竹を下げろ、
地ヌキを巻け、胴ヌキを巻け、箔を伸ばせ、糸をゼンマイで繰れ無かったらタタリで繰れ、
紋紙を替えるからジャガタラを外せ・・・・・・その他多くの西陣の機織言葉に日々触れながら育ちました。
毎日この様な言葉の中で生活し、これが日常の会話だったのです。
幼い頃、職人さんが紋紙に穴を空けているのを見てるうちに紋紙のここに穴を開ければここが動くと云う事が分り、
面白くなってよく遊んでいました。新紋(新しい柄)に変わった時には紋キズと云うものがあるので、
必要でない箇所に穴が空いていたり塞がっていたりする場合直さなければなりません。
その修理を楽しみながら手伝ううちに、現在の「工夫して物を作る事」にめざめたのかもしれません。
最初は組織の基礎、畦=上げ下げ、錦=三綾=3分の1の順番上げが織物の主でした。
其のうち今までに無い新たな組織や素材を使った生地を作り、織物だけで表現するのでなく
織物と金彩加工(本金箔)のマッチングで帯作りをするように成りました。
この頃から本金箔の光らない輝きの魅力に魅かれ、本金箔を使ったもの物づくりをする様に成りました。
今も日々本金箔と新たな素材のマッチングの面白さを楽しんで居ます。
奥村克美プロフィール
1949年 京都の機織り職人の家に生まれ、毎日機織りの音で目を覚まし、機織りの音で
日が暮れていく、その機織りの音が空気のような環境の中で育ったせいなのか、
京都の風、香りのする美、アートを創りたく想い作品を作り始めた。
1986年 京都・北区にてギャラリー平文を設立
1987年 第1回(ITF)国際テキスタイルコンペティション、入選
1988年 東京銀座、三真堂にて個展
1988年 亜細亜現代美術、入選
1989年 亜細亜現代美術、入選
1989年 ギャラリー平文を上七軒にオープン
1998年 丸善京都河原町店にてCG織物画による京野菜展
*西陣ジャカード織のネックであった紋紙作成が、コンピューターの進歩により、自分でコンピューターグラフィックシステムを使って紋紙を作り、
ダイレクトにジャカードが動くようになり、そのジャカード機を使って織物画という、版画のアート技法を確立しました。
1999年 ギャラリー平文2階にて、CG織物画教室を開き、織物作家を育成しています。
1999年 正伝寺に陶芸窯を移設。
2002年 着mode(オリジナル・ファッション)の提案。
2005年 ギャラリー1Fにてさまざまな作家の個展を期間限定で開催。
2008年 2Fに着modeを常設展示
現在、平文に心会う作家達と、平文アートの輪を作りたく、
平文の代表者として作家活動中。